どこかで誰かが…

何が佳菜子を変えたのか?

年月がそれなりに成長させただけなのか?

それだけではないはず。

大好きなバスケットを続ける為、我慢もしたし、時には仲間とぶつかり合うこともあった。

淡い恋心と、実らせることのできた恋…それまでの経緯とそれからの悩み。

恋愛を通じて、トラブルになったり解決したり…
そんな時、なんでも相談できて、ハッキリ意見を言ってくれる親友と、
慰めてくれる彼氏がいてくれた。


それらの出逢いや経験が、今の自分に変えてくれたのかもしれない…

と、そこまで掘り下げ、しみじみと考えるほどの時間はなく、

ふと、アイスホッケーやラクロスのグッズを扱うスポーツショップに目を止めた。


「そっか。本場だぁ…ルールって知らないなぁ。」


その先にあるショップにも立ち寄り、洋服も見てみることにした。


バスケットをプレイするうえで、背は低い方ではなかった佳菜子。

それでも、気に入ったデザインの服を合わせてみると…ややゆったりして見えて…

「私がまだ“お子ちゃま”ってことなのかな?」


徐々に慣れていくしかないと、自分に言い聞かせるように思うのだった。


(“郷に入りては郷にしたがえ”か…“住めば都”かな?)


そんなことを思いながら、たどり着いた公園のベンチに腰掛ける。

そして、

広い空や景色、前を通り過ぎる人々を眺めるように見て、いつしかそこに溶け込んでいる自分を想像するのだった。