どこかで誰かが…

清瀬からのアドバイスらしきメールを受けた片桐は、
久しぶりの佳菜子との再会に、急遽休暇をとった。


「あーあ、これで俺、この夏は日本に帰れなくなったなぁ。」

「ごめん…」

「ばか。嘘だよ。」

「なによ〜!」

「どこ行きたい?何か見たいものある?」

「よく分からないし…大地くんに任せる!」

「オッケー!まかせなさい。」


以前に佳菜子が来た時と違い、
今回は、観光スポットではなく、もっと身近な場所へと連れ廻る片桐。


佳菜子がカナダに住むことを重視してのことの表れだったのかもしれない。


突然、佳菜子が来ることになり、慌てて休暇をとったものの、
片桐の提案からなるあるプロジェクトの件とかで、引っきりなしに携帯電話が鳴っていた。


「ごめんね。」

「なんで?俺の方こそ、落ち着かなくて悪いなぁ。」

「仕事だもん!それに、できる男って感じでカッコイイ!」

「だろ〜?」


こうして、片桐が今任されてる仕事の内容を聞くことができた。

そして、アシスタントとして頑張ってくれている日本人が居ること知る。


「へー、それは心強いね!」

「大学からこっちに居る子だから俺より詳しいコトもあって、ホントに助かってるんだよ。」

「だから私も今、こうして大地くんと会ってられるってワケだ。」

「そ!ま、俺も普段から世話してやってるから、おあいこってとこだ。」

「あはは。」