どこかで誰かが…

次の日の会社帰り―――

改札を抜け、コーヒーショップに直行する佳菜子は、アイスカフェラテを片手にガラスに面した席に座わった。


まずはひと口…ストローを通って口に入る丁度良い冷たさと、自然に頬が緩む甘さに舌鼓をすると、鞄から本を取り出し読み始める。


そして暫く、読書に集中しているところを、

“コンコン!”

ガラスを叩かれ、顔をあげれば、片手で謝る仕草をする清瀬が立っていて…

佳菜子は細かく頷きながら、テーブルの上を片付け店を出た。


「待った?」

「コーヒー3杯目だったかな?」

「マジで?」

「うそ。」

「つっ!」


こんな調子でバス停に向かう二人を、端からはどう見えるのだろうか…?


バスを待つ間の二人の会話も、

「あ、スーパー寄っていい?」

「ん。俺もカップ麺買うから。」

色気も何も無いものだ。


「あれ?一人なの?」

「昨日の姉ーちゃんの料理が不評でさ…そしたら二度と作らないって怒っちゃって」

「当たり前でしょ〜!」

「今日は各自で外食ってさ!」

「あらら。」

「…堀口家の今日の晩飯はおまえが?」

「冷しゃぶにでもしようかと思って。」

「あー、それ正解。ドレッシングに任せれば失敗ないもんなぁ。」

「ふーんだ!」