どこかで誰かが…

「おじさん、そろそろ帰ってくるかな?」

「お母さんがいないから、羽伸ばしてるのかも。」

「娘が独りになってるのに?」

「そんなこと言ったって、私もう子供じゃないんだからさぁ。」

「…だな、そろそろ覚悟してるかもな。」

「!」

「片桐くんのこと、ほとんど認めたようなもんだろ?うちの親が言ってたよ。やっとおばさんが旅行の誘いに乗ったって。おかげでオヤジが置いてかれた。」

「ん…まぁね。」

「じゃあ、あとはもう、タイミングだけだな!」

「…本当は、日本に帰って来てくれたらって…」

「え、そーなの?」

「できればの話ね。」

「あー…」

「…あのさ、変な事聞いてもいい?」

「ん?」

「あんたさ、ずっと彼女いないけど…」

「あ?」

「…どうしてるの?その…ムラムラ〜って」

「はぁ?」

「あ、誤解しないで!い、一般論が知りたいの!別に、あんたのコトが知りたいんじゃなくてね!だからその」

「自分で処理してんだろ?そんなもん。」

「あ…」

「…心配なら行けばイーのに。」

「…」

「なんかあったか?」

「ないよ!ないない!」

「変な事考えるなよ。片桐くんはおまえ一筋だから。」

「そう信じたいけど…最近、思うことがあって。」

「なに?」

「私、大地くんの気持ちや優しさに甘え過ぎてるかなって…」

「そう思うなら聞いてみれば?」

「!…なんか、怖いなソレ。」