どこかで誰かが…

居酒屋を出ると、大沢だけ1人、違う方向へと帰って行く。

当然、佳菜子と二人で帰る清瀬は、自転車を押して歩きながら聞いた。


「後ろ乗るか?」

「ソレ、飲酒運転になるんだって知ってた?」

「大して酔ってねーよ。あんな話されちゃさ…(サワのヤロー)」

なんとなく、ぎこちない感じだ。


「あぁ、さっきはありがとう。」

「ん?なんだっけ?」

「…本気で言ってる?」

「分からん。」

「(ホントに?)大地くんのコトだよ!カナダ行きの」

「あ〜。あれは…(自分に言ったような…)別に、大したことじゃないよ。」

「…スゴイね。」

「は?」

「無意識に人をかばえるなんてさ!」

「…」

「そーゆーところ昔からあるよね、あんた。…大沢はあんなこと言ってたけど、私はさ、あんたの空気の読み方は神懸かり的だと思ってた。気が利かなくて、上手く立ち回れない自分が嫌になるほどね。」

「それはスマン。」

「見透かされてるみたいで怖い時もあったし、面倒くさいって思うことも」

「あー、やっぱり俺らは合わないってことだ!サワの正解。」

「あはは。」

「…お詫びのつもりだったんだ。無意識に片桐くんの肩を持ったわけじゃない。この前の喧嘩が頭のどっかに引っ掛かってて、サワの言葉に釣られて出たんだよ。」

「そうやって、計算しないところがスゴイって言ってるの!」

「するよ。」

「え?」