どこかで誰かが…

「なんだよ、キヨのお墨付きか?ホントおまえらって、互いの事なんでも知ってんのなぁ。」

「…そんなことねーよ。」

「うん、ないない!この前だって喧嘩したばっかりだしね!分かりもしないでエラそーなこと言うから」

「あれは一般論だ!でも…確かに俺がとやかく言うコトじゃなかったかもな、やっぱ。」

「…そうだよ。」

「だからほっとくことにした。」

「うん。そーしてくれると有り難い。」


目も合わさず言い合いをする二人に、呆れた顔で大沢が言う。


「なんだよなんだよぉ。相変わらず喧嘩か?」

「こんなのは喧嘩のうちに入らないよ。」

「そーか?…俺、あんまり佳菜子と喧嘩になったこと無かったからさぁ」

「そーだっけ?」

「だから、おまえらのそーゆーの見て、マジで羨ましかった。」

「…」

「カナダの彼氏とも、そーやって喧嘩すんのか?」

「…するよ。」

「何でも言い合えるのが良いよな、やっぱ。」

「…なんだサワ?そんなヤツでもできたか?」

「ま〜な。」


ようやく、顔を見合わせる佳菜子と清瀬。

そして、

「なんだよ。それが言いたかったのか?」

二人は表情を緩ませた。


「そーゆーこと!…だから佳菜子にも忠告しておきたくて。」

「?」