どこかで誰かが…

「あれ、そっちいく?」

「女子が居んのに、何が悲しくて男同士並んで座らなきゃなんねーんだっつーの。」

「お。おまえから見ても佳菜子は“女”なんだ?」

「ふっ、男じゃねーだろ。」

「失礼な。何飲むの?」

「あ、生。」


久しぶりの会話だ。


「あ、俺もおかわり。」

「ん。すみませ〜ん!」


清瀬の思惑通り、上手くいった。


「で?なに話してた?」

「そーだ。なんで行かないの?…カナダ」

「え?」

「…サワ、ヘビーだよソレ。」

「なんで?ふつー聞くだろ?」

「コイツんち、結婚前に同棲なんて考えらんねーから。」

「じゃあ、しちゃえば?」

「!」

「…」

「あれ?…ダメ?」

「仕事あるし、コーチも引き受けちゃったから…せめて、なんらかの結果をださせてあげたくて…」

「へ〜。そんな感じ?俺なら一緒に来てほしいけどなぁ。」

「サワ。」

「まだ、アッチに行って間もないの!“地盤が固まったら、その時に”って考えてるんだぁ。」

「ふ〜ん。じゃあ、しっかり繋いでおけよ。」

「大丈夫だよ。コイツの男、そんな無責任なヤツじゃないから。」

「…あ、そ。」

「あぁ。」