どこかで誰かが…

まさか、互いの子供達が喧嘩しているとは…そんなこと知るはずもない両家の母親同士は、以前から計画を立て楽しみにしていた韓国旅行へ、仲良く出かけて行った。


母親は不在でも、父親は普段と変わらず会社に出勤し、つきあいで食事を済ませて帰るとのこと。


なのに、明るいうちに家へ帰っておきたい佳菜子は、同僚の誘いにも乗らずに会社を出た。


地元の駅に着くと、1人でも入りやすいファーストフード店で簡単に夕食を済ませようと向かう。


店に入り中を覗くと、かなり込みあっていて、

(テイクアウトするかなぁ…)

とキョロキョロしていた時

「佳菜子!」

後から聞き覚えのある声に呼び止められ振り返った。


「大沢…」

「久しぶり。なに、夕飯?」

「あ、うん。」

「なら…どっかで食わね?」

「え…でも…」

「あはは、別に部屋に誘ってる訳じゃねんだから、そんな悩むなよ。」

「違うの、今日、母がいないから父のご飯の用意しないと」

「親父さんもハンバーガーを?」

「…」

「嘘バレバレ。」

「ホントだよ!ホントなん」

「じゃあ、こうしよ!キヨも呼ぼう!夏休みだから暇してんだろ、きっと?」

「それはぁ!…ホラ部活とかあるから…どうかな?」

「とりあえず電話してみようぜ。つか、三人で飯喰うのなんてチョー久しぶりじゃん!」

「えー。あ…まぁ…」