どこかで誰かが…

「きゃあっ!」

「!……え?」

「…あ。」

「なんだよ?ガラにも無い声なんか出して…」


その足音の正体は清瀬だった。


「も〜…なんだぁ清瀬か〜…」

「なに?どうした?」

「なんでもないっ!!」


突然、強く言い返したかと思えば、

「なにキレてんだよ?別に俺、驚かしたかったワケじゃねーし。」

「…」

今度は黙り込む様子を見て、

「顔色悪いぞ。また具合悪いのか?」

異変に気付いた清瀬は、

「そんなことないよ。大丈夫。」

と、頬を手で擦りながら目をそらす佳菜子が、

「なんかあったか?」

「ないない。」

自分から離れるように歩きだすところを、詰め寄って聞いた。


「どうした?」

「なにが?」

「…まさか、ストーカー?」

何気なく出した言葉に

「そんなんじゃないって!」

過剰に反応する佳菜子を見た瞬間、

「そんなんじゃないのって、どんなんだよ?!」

なんとも言えない感情が込み上げてきて…

「言え!」

咄嗟に掴んでいた佳菜子の腕を、無意識のうち、さらに強く握りしめるのだった。