どこかで誰かが…

「大丈夫?…家はこの辺りなの?」

「えっと…」


佳菜子の家は、このバス通りから中へと入って行った住宅街の奥にあった。


「なんなら近くまで送りましょうか?」

「あ、大丈夫です!…迎えに来てもらいますから。」

「うん、その方が良いわね。」

「はい。」

「くれぐれも気をつけて!お店の中で待たせてもらうといーわよ!」

「はい。…ありがとうございました。」


そんな会話の最中から、佳菜子の頭に真っ先に浮かび、電話をしていたのは、

「おう。どうした?」

清瀬だ。


「今、家?」

「ん。」

「何してるの?」

「テレビ観てた。サッカーやってたから。」

「私、今、バス停そばのコンビニに居るんだけどさ、」

「んぁ。」

「…あのね…急に、気分が悪くなっちゃって」

「大丈夫かぁ?待ってろ。今行くから。」


予想通りの反応をする清瀬。

その言葉が、どれだけ心強かったことか…

決して裏切らない安心感は、自然に“当然”となっている。

まるで、家族のような…
いや、
親なら当然でも、兄妹間では面倒くさいと思うかもしれない感覚だ。

が、一人っ子の佳菜子に、ソレは分からないコトだろう。