どこかで誰かが…

高木に関しては、
どうしても受け入れられない自分がいた。


あの頃は、これほど気になる相手では無かったはず。

が、

男として、負けられない気持ちがそこにあった。


“あの時、大沢が現れさえしなければ…”

そんな未来を想像してみる。


シナリオはこうだ。

きっと、高木は佳菜子に告白したであろう。
そして二人はつきあうことに…
ならば、高木が転校しようとも、佳菜子となら何の問題も起こるはずもなく、
結局、高木は今のチームの選手になっていたに違いない。

そして、自分も今の通りだと…


今が不服な訳ではない。

誰でも悩みの一つぐらい、あって当然だとも思っている。


それでも

久し振りの再会が、知らぬ間に、清瀬の心の奥底で、小さな火を燻らせていき、


“別に俺、負けてねーし。”


そんな事、誰も言ってやしないのに、
何とも得体の知れない気持ちに掻き立てられるのだった。