どこかで誰かが…

「なに?職場がこの辺なの?」

「いや、試合の遠征で」


「サッカーか!どこでやってんだ?!」

「…ふっ、違うよ!俺、今、教師やってて」

「お〜!顧問か〜!」

「あ、あぁ。(どうせもう、会うこともねーだろう)」


“副”を付けて言い直すだけの事が出来ず、
教職に着けていたことに、胸を撫で下ろす様子がバレぬよう、

「バスケ、やってんだろ?」

すぐに、堂々とした態度でたずねてみせるが、

「あぁ、それしか取り柄ないからな。」

自分をへり下ってみせる言い方にさえも、

「よく言うよ。」

つい、本音がでる。


その時だった。

「堀口とは会う?」


…その言葉に、はじめて高木の顔をまともに見ることができた清瀬は、

「ああ。元気だよ。」

なぜか、強気に答えていた。

まるで、

(今のおまえの成功は俺のおかげだぞ。)

とでも言わんばかりに…


なのに、

「…あれ?もしかして二人って、今…」

思わぬ方向の質問をされ、

「違うよ!あぁ…堀口の男は、今カナダなんだ。だから時々、様子を報告するのに会うんだけどさ…」

言い訳がましく、説明をするのだった。