どこかで誰かが…

正月ボケなどしてる間もなく、
清瀬は、地域の保護者が運営する、小学生対象のサッカーチームの練習場を訪れていた。


高木の話を聞いて、自分を見つめ直す機会を与えられた清瀬は、
待っているだけではダメだと…今だからこそ出来ることがあるのでは?と、考え探し出した答えが、そこにあった気がした。


なぜなら、運良く、新しいコーチを募集しているところだという話で…

「指導してくれている保護者の方が、転勤で引っ越すことに決まりましてね〜、助かります〜!」

何かのお導きだと信じる清瀬は、

「あーそうですか。僕も就職先が決まるまでになりますが……この1年間は約束できますので!」

やると決めたからには、中途半端で投げ出す訳にはいかないと、
即決で、この1年は、採用試験を諦める決意をした。


「土曜日は午前中だけになりますが、日曜なら丸一日つきあえますので!」


こうして1年間、塾の講師と二足のわらじでやっていくことになったのだが、

「彼女とはいつ会うの?!」

話を聞いた佳菜子は、呆れた顔で問い掛けた。


「会おうと思えば会えるだろ?」

「本気でそう思ってる?」

「…言っても俺、社会人だし!」

「フリーターでしょ…」

「!あのな、男には、やらなきゃならない時ってもんがあるんだよ!」


そんな答えを返されても、
清瀬に何があったのかを知らない佳菜子には、納得のいかない話だった。