どこかで誰かが…

「高木のヤツ、堀口さんに惚れてたんだよな…」

「!」


清瀬は驚いた。

考えていることを口に出してしまったかと思ったのだ。

しかし、

「で、その大沢ってヤツのことを思い出したってワケ。堀口さんがヤツとつきあわなければ、高木、転校なんかしなかったらしいぜ。どう転ぶか分かんねーよなぁ、まったく。」


その話を聞き、

高木の存在に気付いていながら、佳菜子と大沢を引き合わせる切っ掛けとなった場所に
皮肉にも、自分が立ち合っていたことを思い出しては、

(あの時、余計なことしなければ…高木の今も違ってたってことか…)

心のどこかで後悔していた。

その反面で、

知人の成功を僻んでいる自分が、とても小さい人間に思え、
そんな自分にも腹を立てている。


しまいに嫌気が差してきて…気分は最悪だった。



『たまには、昔に戻って楽しもう!』


これが、今回のOB会のスローガンであったが、

「あの頃のようには動けないもんだな〜。」

そんな会話を耳にしては…


二度と戻れぬあの日々を、
つくづく愛しく想うのは、
きっと、
清瀬だけではなかったであろう。