どこかで誰かが…

そしてそれは、
夏が来るのを待つことを許さず…

「佳菜、ごめんな。」

片桐家のリビングにいる二人を、過去にない程、深刻な表情にさせたのだった。


「何がどうなったって、行くんでしょ?」

「ごめん。」

「…」

「どーしても来ない?」

「問題をすり替えないで。」

「ハァー…話が進まないもんなぁ…」

「だって、今は何も考えられないもん!余裕がないの!」

「じゃあ、こうしよう。よーく考えて!俺は待ってるから!」

「私まかせ?」

「それしかない。」

「それ、酷くない?」

「もちろん連絡はするよ!メールだって毎日するし、時間があれば佳菜に会いに帰って来る!いや、時間を作る!」

「…」

「佳菜子もさ、たまには遊びに来ればいーじゃん。遊びになら来れるだろ?」

「…どうしても行くんだね。」

「行くよ。行かなかったら俺、一生後悔すると思う。…それに、あきらめた理由を佳菜のせいにしたくないから。」

「そーだね。結局私も、ずっと引きずりそーだしね。」

「佳菜、これだけは言っておく。別れ話してるんじゃないからな!」

「わかってる!…ただ、引っ込みがつかなくなっちゃったの!ハイそーですかって、簡単に認められたら、大地くんだってショックでしょ?!だからって気晴らしついでに、アッチの女にフラフラ〜ってなっちゃったら、私…」

「ばか…そんなこと、あるわけねーだろ。」