どこかで誰かが…

自分なりに奮闘するも、
何ひとつ上手くいかぬ焦りから、ワラにもすがる思いで、父親のコネクションによって紹介された、小さな商事会社の面接試験に望む佳菜子。

その結果、

晴れて4月から、社会人としての新しいスタートをきることとなったのだが…


「結局私は、親がいなけりゃ、何も出来ない人間なワケよ!それが良く分かったわ!」

「いくらコネって言ったってさ、おまえに適応性が無ければ断られてるって。」

「お茶にコピーに電話番だよ!」

「贅沢言ってんなよ!」


教員免許を取得したものの、採用試験に通ることができず、町の塾で講師のバイトをしながら、次のチャンスを狙っている清瀬にしてみれば、本当に贅沢な話で、


「塾講だろうがバイトだろうが、教師には変わらないでしょ。あんたの方が私より全然イーよ!」

「俺が教師になりたい理由知ってんだろ?!サッカー部の顧問になって、いつまでもサッカーに関わっていたいって!…まぁ、確かに塾講も色々と勉強になってるけど…」

「あんたって、そんなに前向きな人間だったっけ?」

「え…多分。結構前からだと思うけど。」

「今の彼女のお陰かなぁ?大事にしなくちゃね!」

「その言葉、そのまま返すよ。」

「…ふ〜んだ!」


そんな清瀬のお陰もあって、
いつしか、ヨリを戻すことのできた佳菜子と片桐は、
以来、
カナダに関する話題を避けて過ごし…

結局、何も解決せぬまま月日は流れ、
遂に、カナダ行きの辞令が下されたという訳だ。