どこかで誰かが…

そんな二人の間に入り、大変なのは清瀬だ。


「なぁ、男にはさ、何よりも仕事が…片桐くんにとって一番やりたいことなんだろ?」

「別に、反対してるわけじゃ…」

「じゃあ何?別れたいの?」

「!」

「このままだと、そうなっても仕方がないよなぁ…だろ?」

「…」


と、佳菜子には忠告をしながら…


「堀口のこと、ちょっと脅しておいたぞ。」

「なんて?」

「つーかさ、もうカナダ行っちゃえよ!」

「はぁ?」

「そーすりゃあ堀口も考え直すんじゃね?親の反対押し切って、あと追ってカナダに行くかもよ。」

「まだ辞令がでてねーって!…何しに来たんだって言われるよ。」

「あ、そっか。」

「とか言って、佳菜が来なかったらどーすんだっつーの。」

「“遠距離過ぎる恋愛”でもするんだな。それか、それまでか。」

「おいっ。」

「あはっ。オモシれ。」

「どこが面白いんだよ!」

「はははっ。そん時はさ、アイツに悪いムシがつかねーよーに見張っててやるよ!時折、カナダ行きを促しながらさ。」

「いーよ!そんなこと…そんな暇あったら、彼女に世話やいてやれって!」

「なーんか忙しそうでさ!サークルだぁ、飲み会だぁ、」

「あー、今が楽しい時期だもんなぁ。…つーか、おまえ大丈夫か?俺のこと心配してる場合じゃねーんじゃねーの?」

「ほっとけ。」


片桐の気を紛らわすのも、上手くなったものだ。