どこかで誰かが…

その半年後…
片桐はカナダへと飛び立った。


そうなるまでには、
それはそれは、山あり谷ありと言ったもので…

それは5ヶ月前の、お互が予定の空いたある日、
片桐の部屋で借りてきたDVDでも見ながら、久しぶりにまったりしようとしていた矢先のことだった。


この時とばかりに話はじめる片桐に、
清瀬からのアドバイスどおり、
冷静に耳を傾ける佳菜子だったが、
その表情は、みるみるうちに硬直していった。


「じゃあさ、もう別れよっか?」

「なんでそうなるんだよ!!」

「だって無理でしょ絶対!」

「なんで!」

「カナダだよ!遠すぎっ!」

「着いて来りゃいーじゃんか!」

「何言ってんの?!自分だってどうなるか分からないトコロに、右も左も分からない私を連れて行ってどーするの!」

「だから一緒に来てほしいんだよ!どれだけ心強いことか」

「足手まといになるだけに決まってるでしょ!」

「そんなことナイって!」

「ある!!…だいたい親が許さない。」

「…」

「なんで?なんではじめに、私に相談してくれなかったの?!」

「来てくれるって思ってたから」

「就活してるのに?」

「…」

「あ、どうせ私なんか就職できないって、そう思って」

「違うよっ!!」