どこかで誰かが…

いつになく、片桐が酔って見えたので、この時ばかりは、さすがに駅まで送って行く清瀬…

改札から片桐の姿が見えなくなるまで見送ると、そこから家までの道程は、色々なことを考えさせられるハメとなった。


そろそろ家も近づいた頃、ふと、佳菜子の部屋の灯りを目にして立ち止まるも…………

またすぐに歩きだし、おもむろに携帯電話を取り出した。


「あ、オレ。」

「…うん。」


片桐のことを話さずにはいられなかったのだろう。


「反省してたぞ。」

「一緒だったの?」

「まっ、堀口のこと心配してるってことだよ。」

「わかってるけど…」

「素直じゃねーなー、相変わらず。」

「だって、何もかも上手くいってる大地くんに何を言われてもさ…自分が惨めになるだけで…」

「は?」

「重荷になりたくないの!だから邪魔にならないよう、きちんと自立して、時には相談にものれるような…それが私の理想なの!でも、今の私には何も無くて…自信すらなくて…こんな私じゃ、いつまでたっても、親だって心配だろうし…」

「そう言ってやれよ。マジで落ち込んでたぞ。」

「やだよ。悔しいもん。」

「…片桐くんにも、うまくいかない事があったってことだ。」

「…」

「今すぐには無理かもしれないけど、ちゃんと話を聞いてやれよな。…冷静にさ。」


頭では分かっていても、実行できないことの方が多いものだ。