どこかで誰かが…

次の日のこと……
片桐は、清瀬の指定した居酒屋でうなだれていた。


「たかが喧嘩じゃねーかよ。だいたい、何でも言えって、自分から堀口に吹っ掛けたんじゃんか。」

「そーだけどさ…なんか俺の将来のビジョンが否定されたみたいでさぁ…」

「プロポーズを断られたワケじゃあるまいし。」

「…結婚とかって考えて無いのかな?」

「げっ!それマジで言ってる?」

「一般的に女は花嫁衣裳に憧れてんじゃねーの?」

「そーとは言い切れねーだろ。…アイツまだ21だし、就職も決まってなくて、それどころじゃないんだよ。」

「逆じゃね?だからこそ永久就職に逃げるんじゃねーの?」

「!…そーゆーつもりでアイツに言ったの?」

「あまりにも落ち込んでるみたいだったから、そーゆー道もあるって」

「それ、逆効果だよ。あー見えて負けず嫌いだし、ホント昔から気だけは強いから。」

「…」

「言ったじゃん。焦るなって…」

「焦るよ。」

「?」

「俺さ、希望出してんだ…カナダ行き。」

「いつ!?」

「ずいぶん前。もちろんまだ未定だけど、返事が来たらいつでも行く予定。」

「堀口には?」

「まだ。どーなるか分からないし…決まったら言うつもりでいる。その時は一緒に来てもらいたいって思ってるんだ!」

「…それで焦ってたってワケか。(何かアルなぁとは思ってたけど…)」

「あぁ〜!…もうっ!」


隣で頭を抱える片桐を、清瀬は横目で見ていた。