どこかで誰かが…

「へー。知らなかったな…佳菜子がそんなに恋愛体質だったとは!」

「そんなんじゃナイよ!自分でも、ビックリしてるんだから…」

「あはは。」


ゆっこからの電話に、退屈だった時間から救われる佳菜子。


「ね、大沢君の時もそーだった?あの時、そーは見えなかったけど。」

「ん…大沢の時は“いつ別れてもいーや”って気持ちでつきあってたんだよね…つきあえてることが奇跡っていうか、どうせいつもの気まぐれだって…あとで後悔するんなら、つきあってみようかなってさ。」

「…つきあってからの後悔は?」

「無いよ。…色んな気持ちを教えてくれたし…あの頃のあの気持ちは、あの時にしか味わえなかったと思う。」

「…確かに。前に佳菜子が言ってたじゃん。高木の色がオレンジ色って、あれ…最近あたし、カズの思い出がそんな感じに…ね。」

「あは。清瀬が?」

「いーでしょ!あたしにしてみれば、アレはアレで、あったかい思い出だったんだから。気持ちと言葉だけで繋がってた…今思えば、貴重な体験だよね。初恋や純愛が、いつまでも良い想い出なのはさ、もう、二度と戻れないからなんだろうね。」

「今になってね、私…大沢に何をしてあげられたのかな?って考えることがあるの。」

「え?…あたしの知る限りでは、楽しそうにして見えたけど。」

「あれは大沢自身の性格だよ。…私、自分の都合で一緒に居たような気がするんだよね。」

「あっちが忙しかったんでしょ?部活とか、色々と付き合いが…」

「ホントはね、独りが寂しくて、大沢の気持ちを利用した。そんなだから、何をしてあげたらいーのか分からなくて…求められるまま…それで繋がっていられるならって、会えばいつも…」