どこかで誰かが…

休みに入ると、片桐はハワイへと向かった。


頻繁にメールを送ってきては、向こうでの様子をマメに報告してくる片桐。


羨ましい思いから、時折、嫌味にも感じることもある佳菜子だったが、
メールがきていないか、しょっちゅう携帯電話を気にしては、実は楽しみにしている自分に、

こんなにも、彼氏という存在に依存したのは初めてだと、実感させられるのだった。


この数か月、普通に大学へ通い、サークルにも顔を出して汗を流している。

高梨から就職活動の状況を聞いては、次は我が身とため息を吐き、
知り合いとお茶しながら、身近すぎる世間話に、腹を抱えるほど笑っていたりもする。


でも、一人になると、いつも片桐のことを考えていた。


大学からの帰り道、電車やバスの中ではもちろん、
寝る前や朝起きたばかりのベッドの中や、湯船に浸かっている時など、
一人っ子の佳菜子には、一人になれる時間が多すぎた。


(こんな時、今まで何してたんだろう?)


急に、ポッカリと穴が開いたような時間ができるのだ。


ここしばらく、なんとなく充実していた生活に、心も満たされていたのだろう。


以前なら、一人の時間を大切に、課題や自習、読書にショッピングなどを、その時間に当てていた。

それこそ、わざわざボーっとする時間だって必要としていたはずなのに…

今は、寂しい気持ちが勝ってしまい、何も手に付かずに居る。


まず、携帯電話ばかりが気にり、気が散って仕方がないのだ。