「まさか、そんなこととは知らなかったから。」

「はい?」

「俺さぁ、いつ佳菜ちゃんが来ても会えるようにって、シフトじゃない日も顔出しに来てたんだぜ。就活しても、ここのバイト続けなきゃなんないかと思ってたよ。」

「…なんのことですか?」

「こっちが聞きたいよ。…その、キヨってヤツとはどうなってんの?」

「どうって?」

「秋山から聞いたんだ。君を送った時、親公認の男が出てきて睨んでたって…そいつがキヨなんだろ?」

「アレは幼なじみです。」

「は?」

「昔から、よく勘違いされて、」

「なんだよソレ〜!秋山は、そいつのせいで、君のことあきらめたんだぞ!」

「え?元カノが忘れられなかったんじゃ…」

「まあ、結局、丸く納まったから良かったけど…」

「うん…」

「でも俺は、納得してない!」

「!」

「キスされても平然とした顔してたじゃんか…万更でもないのかと思うだろ普通!」

「何言ってるの!そっちこそ彼女がいたんじゃ」

「そんなの嘘だよ!」

「え?」

「あの未央里って子が、めんどくさそーだったから。」

「…そんなぁ。」