どこかで誰かが…

「あ、似たような人がいてね!」


動揺した佳菜子は、つい、言わなくて良いことまでをも口走っていた。


「似たような人?」

「え?あー、知らない人なんだけどね。」

「えへへ―。じゃあ、なんで知ってんの?」

「店の店員。」

「ふーん。」


途端に、ゆっこと高梨は目を合わせ、続けた。

「なんて店?」

「えー、忘れた。」

「なんだ。大沢くんを知ってるあたしとしては、似てるかどうか見てみたかったなぁ。」

「顔じゃないの!…て言うか、そいつの方がカッコ良いくらい。背も高いし。」

「へー、よく見てんだなあ。」

「ねぇー。」

「例の好青年の先輩だったの!」

「あーそーだったの。年上?」

「ひとつね。」

「じゃあ、俺と同じだぁ。」

「いーじゃん、一つ上。あたしもお薦めヨン。」

「ダメダメ!あれはかなり遊んでる!高梨さんとは大違いだもん!」

「なんで分かんの?」

「彼女いるし。」

「あはは、彼女がいると遊んでるって、なに?」

「だって…それなのに、キス…」

「え?なに?聞こえない。」

「キスされたの!突然!」


佳菜子は顔を赤らめ、目の前にあるサワーを飲み干した。