どこかで誰かが…

そしてゆっこが、思いのほか早く電話に出たことに驚く。


「あ、私。」

「うん。カズから聞いた?」

「あ…うん…」

「なんか言ってた?」

「ゆっこに好きな人ができたって…ホントなの?」

「知ってるくせに。」

「え?」

「バスケも休んでるんでしょ?矢萩さんから“なんとかするよう”に言われたって聞いてるよ。」

「…高梨さんとはいつから?」

「初めて会った日にメルアド交換して、次の日には二人で会って…」

「それはさ、その…事故的なモノじゃなくて?刺激が欲しかったとか」

「はじめはそんな感じだったかも。倦怠期って言うか…このままもう、ときめくことがなかったら、カラッカラになっていっちゃいそうで…だって、まだ二十歳だよ!もったいないと思わない?」

「…そんなこと思ってたなんて知らなかった。…どうして何も言ってくれなかったの!?いつも私の相談ばっかりで、ゆっこちゃんが悩んでたなんて、全然気が付かなかったよ!」

「悔しかったの。佳菜子があまりにも楽しそうで…羨ましかった。」

(あ…そんなこと清瀬も言ってたな…)

「それにあんたのことだから、なんとかしようとお節介やいて、余計に…」

「ひどい。私ってそんなに頼りにならない?」

「違うの。これはあたしの気持ちの問題。どうしても、カズとの間に佳菜子に入ってきてもらいたくなくてね…未だに何かしらのコンプレックスがあるんだ…ごめん。バカみたいでしょ?」

「(ゆっこちゃんにとっての私は、大沢からみた清瀬ってワケ?)…じゃあ、高梨さんのことは話せるよね!」