「へー、そーなんだ…(あれ?ちょっとショック?まさかね)。」

「話だと、高校の時からの1つ下の後輩でね、先輩〜先輩〜って、甘え上手な可愛いー子で、いつも一緒に居たんだって…」

(私とは大違いだね。真似も出来ないや。)

「でも、振られたんだし、気にすることないよ!」

(じゃあ、なんで言ったの?)

「付き合ってから知るより、先に知っておいた方がイーでしょ!」

「あのさぁ!…私、秋山君と付き合わないし!!」

「!……どうかした?」

「できれば、これで最後にしてほしいんだけど!」

「佳菜ちゃん?」

「……ごめん。」

「…」


でもすぐに、その、嫉妬にも似た苛立ちの理由は解明した。


いつも清瀬から聞かされる、

“ホント可愛くねーなー”

と言う言葉が、さらに佳菜子を捻くれた性格にさせていたのだ。


(結局、男は皆、素直で可愛い女を選ぶんだ。)


この日を境に、佳菜子は秋山と、そして未央里とも、交遊を避けることになった。


未央里と秋山の仲が、どんなものかは知らない。

そんなこと、はっきり言って、どうでも良かった。


ただ、それから数日後、
未央里が他の友達と、片桐の店に行ったらしいことは耳にしていた。