どこかで誰かが…

その日を境に、女子部が男子部を相手にするようになったと言うか優しくなったと言うのか…


新しいプログラムで、厳しくなった練習に耐えられるよう、
声をかけ、励ましてやることで、卑屈になったり、チーム内でのもめごとに発展しないよう、
アメとムチ方式で、全面的に高木をバックアップした。


それも全て、初めて佳菜子の口からこぼれた恋模様らしきものを、本物に繋げるための一歩だと思えばこそ。


その応援のかいあって、
一緒に帰ることもある中で、
ファーストフード店に立ち寄ることもあった。


女子にとっても、時にはそんなことも悪くはなかった。

正直、嬉しくもなかったが…

佳菜子と高木の会話は、弾んでいるようだった。


そんなある日、

部活帰りに、ちょうどサッカー部員を見かけたゆっこは、

「あ、サッカー部も終わったみたいだね。清瀬とは帰らなくていいの？」

「えー、帰らないよぅ。」

あっさりと返す佳菜子に驚いた。


「あれ？なんかあった？」

「なんで？」

「なんでって…」

「べつに何もナイよ。」

「！…？」

「行こ！」

「あ、うん…（それは、問題は無いってこと？それとも…何も関係が無くなったってこと？）ま、いっか！」

「ん？」