食事を終えた頃、コーヒーを飲みながら寛いでいると、
店の扉が開き、4人組の女子大生らしき者達が入ってきた。


「A大の人?」


未央里がたずね、目を向けた秋山が、一瞬、顔を強張らせたのに気付いていた佳菜子。


それからと言うもの、なんとなく、さっきとは様子の違う秋山に未央里が言う。


「もしかして片桐さんもココに来ちゃう?ちょっと、それはマズイんだけど!」

「先輩は来ないと思うよ。」

「本当?」

「うん。どちらかと言えば、テニス“部”のたまり場だから。」


確かに、その女の子達もラケットを持っている。


「あれ?もしかして、今日サボらせちゃった?」


そんな佳菜子の言葉に便乗して、

「ごめーん。じゃあ、もう行こうか!?」

気を利かせて言う未央里。


そして、この後に用事があると言う秋山と別れ、佳菜子と未央里は、もう少し街をぶらぶらしてから帰ることにした。


「ねーねー佳菜ちゃん。秋山君、さっき急に変だったと思わない?」

「あー、そうだね。部の人と会っちゃって、気まずかったのかな?」

「思うに、あの中に元カノが居たんじゃないかなぁ?」

「え?」

「片桐さんから聞いたんだけど、秋山君、彼女に振られて、かなり落ちてたんだってさぁ。」