どこかで誰かが…

「おばさん、帰ってきたよ!」


タクシーから降りる佳菜子を見て一言……それは清瀬の声だ。


そして、

「おまえ、何のための携帯だよ!」

と、そばに駆け寄ってくる。


慌てた秋山が、タクシーから降り立つと、
清瀬も母親も足を立め、


「遅くなってすみませんでした。友達の女性が気分を悪くして、一緒に送り届けるのを佳菜さんに頼んでしまったもので、ご心配おかけしました。」


そんな、丁寧で必死な秋山の謝罪のおかげで、
佳菜子は、それ以上とがめられずに済んだ。


次の日の朝も、母親は何も聞いてこない。

それなのに、

「聞いたよ〜!彼氏ができたとかなんだとか!?」

ゆっこからの電話は、興味本意の質問攻めだった。


「そんなんじゃないんだって!」

「じゃあ、どんなの?カズの話じゃ、おばさんも公認だとかって、」

「なにそれ?!」

「珍しく誠実な奴だったって言ってたよ。いったいどこで見つけるの、そーゆー男?」

「え…(合コンなんて言ったら、益々めんどくさくなるから言うのはよそう。)友達の紹介。」

「あたしの紹介は、全部蹴っておいて?」

「だって、すぐに清瀬に言っちゃうから…」

「あははは、確かに。あたしはまた、サークルのメンバーかと思ったよ。」

「あそこは、そーゆー感じじゃないから。」

「いーなー。久しぶりにバスケしたいなぁ…」