どこかで誰かが…

その空気を変えたのは、

「佳菜ちゃんとつきあう奴は大変だなぁ。」

片桐だった。


「なに言ってんすか先輩!」

「なんて言うかさぁ…ガードが固いっつーの?…でも、そーゆー女の子って安心っちゃ安心だけどなぁ…」

「…(そうそう、こんなふうに言ってもらえた方が、分かりやすいんだよねぇ…ん?)」

そこへ、

「片桐さん、お嬢様がタイプなんですか?」

未央里からの質問に、

「好きになった子がタイプどえーす。」

うまく切り抜け、引っ込んでいく片桐。


「あー、行っちゃった。」

「あのさぁ未央里ちやん、先輩、彼女いるからさぁ、」

「いーじゃん!別れてくれって言ってるわけじゃないし!“一緒に飲みましょ”ってだけじゃん!」

「そーだけど…」

「…ね、彼女って、どんな人?」

「知らね。俺もこないだ知ったんだ。昔は色々話してくれたんだけど、」

「色々って?」

「そりゃー、色々だよ。」

「あ、じゃあ、元カノは知ってんでしょ?」

「ん…大人っぽい感じの人だったよ。俺から見たら先輩だったからかもしんないけどね。」

「仲良かった?」

「部活も違うし、よく知らね。」

「付き合い長いんでしょう?」

「…どちらかと言うと先輩の方がベタぼれって感じだったかな…片思いの相手にも“会いたい”だの“話がしたい”だの言ってたし。」