どこかで誰かが…

こうして、秋山のメールアドレスを受け取った佳菜子は、
その数日後、再び、片桐のバイト先へと出向くことになり…

未央里と二人で店のドアを開けると、カウンター席に秋山の姿を見つけた。


「あれ〜、早かったね。」

「さっき来たところだよ。」


もう、かなり親しげに見える未央里と秋山。


するとそこへ、

「二人と会いたくて、ついつい急いじゃったみたいだよ。」

片桐が口を挟んできて、

「二人を待たしちゃ悪いと思って!…今日は何も用事がなかったし…」

「優しいね〜秋山君。」


こんな空気の中、未央里が秋山の隣の席をひとつ空けて座ったため、必然的に佳菜子は、二人の間に腰掛けることになった。


「こないだは、ども。」

「あ、こちらこそ。」


秋山と交わす会話を聞き、

「あれ?メールはしてるでしょ?」

大きな声で言う未央里。


それは、アドレスを聞いておきながらメールを送っていないということで、
まるで、秋山には興味が無いという意味になり…


「違うの!…なんて打てば良いのか分からなくって…」

「なにやってるの?佳菜子でーす!これからもヨロシク!でいーでしょ。」

「あ…」

「ほらほら、それなら今、空メールでも送ってあげたら?」


そう秋山を前に言われては、断る訳にはいかない佳菜子だった。