どこかで誰かが…

次の日の大学のラウンジで、
佳菜子は未央里に精算しながら、あの後の話を聞かされていた。


「でね、片桐さんにも散々言われてたよ。メアド交換もしないで、“なんのために二人っきりになったんだぁ”って!」

「そんなの、必要なかったからに決まってんでしょ!」

「そーでもなさそうだよ。だからあたしが“教えてあげようか?”って言ったら、“そんなこと勝手にしたら悪いから”って言ってね…誠実でしょ?」

「え、あ、うん。」

「で、これが秋山君のアドレス!佳菜ちゃんからメールしてあげてよ!」

「え?」

「そーすれば連絡とりやすくなるし!」

「なんの?」

「また今度、あの店に行く時。秋山君とあたしの二人ってワケにはいかないでしょ!他の子と行って、抜け駆けされても嫌だし。」

「片桐さんを?」

「そう!だからさ、深く考えないで、あくまでも秋山君とは友達ってことで」

「話が矛盾してるよ。」

「何?」

「さっきは、見込みアリ的なニュアンスだった。」

「だからぁ、会っていくうち、佳菜子が秋山君を“イーなー”って思ったら、考えてあげても良いんじゃないのって話!…秋山君だって、まだ“好き”って言ったワケじゃないし…。」

「でも…」

「何が佳菜ちゃんをソコまで頑なにさせてるの?」

「え?」

「いつまでも昔の恋にしがみついてるなんて…もったいないよ!」

「そんなんじゃなくて…(片桐ってヤツと関わりたくないだけだよ)」

「とにかくアドレス教えておく!あとは佳菜ちゃん次第ってことでヨロシク!」