どこかで誰かが…

カウンターの中に戻った片桐は、佳菜子の笑ってる顔を見て安心した。


「なんだ。帰るってソコのことかよ。」

「え?何の話?」

「あ、私、そろそろ帰らなきゃならなくて、」

「え!まだ11時前だよ。」

「さっきの電話?怒られちゃった?」

「ううん、大丈夫。」

「なぁ秋山、この子の周りは厳しそーだぞ…」

「先輩!ホントほっといてくださいよ〜。」

(ホント、この片桐ってヤツ、どーゆーつもりなんだろう?)

「そーゆー片桐さんは、どーなんですか?」

(え?!)

「どうって?」

「自分の恋愛ですよ〜!彼女いるんですか?」

「さぁ?どーでしょう〜」

「彼女はいなくても、女はいそう!」

「あはは、それ、どーゆーことだよ。俺、どう見られてるわけ?」

「じゃあ、どうなんですか?」

(……。)

「いるよ。」

(やっぱり…大沢もこんな感じだったのかな…)

「え〜、そーなんだ〜…残念。」

「その残念の使い方、正解。」

(!)

「え?」

「なんでもない。」

「じゃ、じゃあ私、帰るね!二人はゆっくりしてって!」


そう言って、佳菜子は財布を取出した。