どこかで誰かが…

「それはないです。残念でしたぁ!…あ、残念て、外れて残念って意味ですよ。」

「ぷっ」

「なんですか?」

「やっぱ気になるんだよな…」

「はい?」

「ま、でも、どこで会ったかなんて、どーでもいっか!」

「え?」


佳菜子は、何が起きたのか分からなかった。


突然、視界が片桐に覆われ…


唇が離れて、はじめてキスされたことに気が付くといった、本当に一瞬の出来事だった。

なのに、

「なに?」

冷静に、その状況の意味をたずねている。


「ごめん。なんか分かるかなぁって思ってさ。」

「なにが?」

「気になる理由が。」

「…それで?」

「分からなかったから、もう一回する?」

「…帰ります。」

「ちょちょちょ、」

「めんどくさいんで、今のこと、二人には内緒でお願いします。」

「あ、はぁ…」



何もなかったように、去っていく佳菜子だったが、

(なにが、どっかで見たことあるよ!あんな軽薄で、完璧なルックスの男なんか知らないっつーの!)

内心、ふつふつと怒りが込み上げていた。

しかし、

(背、高かったなぁ。バスケで会ってたりして?)


少し、気になりもするのだった。