どこかで誰かが…

それは清瀬からの電話だった。


「なに?」

「何じゃねーよ。何回電話したと思ってんだよ!」

「あ、ごめん。気が付かなかった。」

「おばさんから電話あったぞ。おまえがどこに居るか知らないかってさ。」

「あ!そうだった…」

「今どこ?」

「あ、友達と、ちょっと…」

「飲んでんの?」

「…ちょっと。」

「珍しいな。まあ、ちゃんと連絡はしていけよ。」

「うん。ちょっとバタバタして、忘れてた。」

「…あんま遅くなんなよ。おばさんには俺から言っとく。」

「え、いーよ。」

「騒ついてる。」

「あ。」

「余計心配するから。」

「ありがとう。」

「早く帰れよ。」

「うん。」

「じゃな。」


電話を切り、着信履歴を見ると、家、母親から2件。
そのあと、清瀬から3件の不在マーク着信が残されていた。


現在の時刻は10時34分。


何も伝えずに、10時過ぎたことは、今日が初めてだった。