どこかで誰かが…

「なんだおまえ!二人も女の子連れて〜」

「友達っす。先輩のことが見たいってさ!」

と、そこへ透かさず

「こんにちわぁ!」

未央里が、これまでの合コンで培った、とびっきりの笑顔で挨拶をしてみせた。


「いらっしゃい。」


勤務中とあってか、マニュアルに沿った挨拶ながらも、
その先輩の返す笑顔は、
こっちの顔まで緩みそうな、優しい微笑みで…


(コレは、かなり練習してんのかなぁ…)


常に平常心を保ってみせる佳菜子の隣で、

「ヤバイ…」

すでに未央里は、心を奪われていた。


カウンターからは、接客時以外の様子も見ることができ、
何か作業中の表情に、釘付けといった感じの未央里。


確かに、
キリッとした切れ長の目や、
しっかり通った鼻筋には、
佳菜子も“イケメン”と認めざるを得なかった。

が、

(ブーッ!)

それだけでは、ときめいたりしないのが佳菜子だ。


しかし例外もある。


「ん。これサービス。」


シャーベットを差し出す先輩に、

「わー!いーんですか?」

喜びをアピールする未央里の横で、ひっそり、微笑みながら会釈する佳菜子。

すると、

「あれ?どっかで会ったっけ?」