どこかで誰かが…

「大丈夫!適当に合わせて笑ってればいーんだから!」

「そーんなー。」

「何事も経験だって!」

「もう〜…」



突如、人生経験のつもりで参加した初めての合コンは、

ドラマで観たことのあるように、盛り上が……ることはなかった。


男性メンバーが消極的というか、物静かというか…

よく言えば“品がある”ってことなのだが、

今、流行りの言い方に変えれば、
これが“草食系男子”ってヤツなのだろう。


今回の主催者らしき男が、必死に盛り上げようとしている姿が痛々しく…

女子は愛想笑いを浮かべている。


(この男陣営も、誘われて仕方なく参加してる…ってとこかな?)


気持ちの分かる佳菜子だけが、
その様子を冷静に、客観的に見ることができ、
主催者には同情すら覚えていた。


両者とも、一刻も早く、この状況から逃げ出したかったのか、
二次会に進むことなく、オヒラキとなったのだが、

その主催者と、女子を取り仕切った未央里とが知り合いらしく、

その後の“反省会”兼“飲み直し会”に、何故か付き合わされることになった佳菜子は、
渋々、とある店を訪れた。


「あぁ、ちーすぅ。」


そこは、主催者の秋山祥一の高校時代の先輩がバイトしてる店とかで、
常連客らしく振る舞う秋山を、
さっきとは、まるで別人のように映して見せる、お洒落な洋風居酒屋だった。