「あー、別れた。」

「へ?」

「浮気したから振ってやったの!言ってなかったっけ?」

「う、うん…」

「あ、気にしないで!もう、潮時だったんだぁ。」

「長かったんだっけ?」

「まあね。高2から。よく続いたって感じでしょ?!」

「同じ高校だったんだよね?」

「だからかなぁ。でもこれで、心置き無く合コンにイケるう〜!」

「ちょっと、」

「ホントだよ!これでも我慢してたんだから!その時はさ、佳菜ちゃんも一緒に行こうよ!」

「え?!私はイ〜よ!」

「なんで?だって、彼氏いないんでしょ?」

「え、まあ…」

「夏だよ!」

「私、しばらく、そーゆーのは…」


佳菜子は、大沢とのことを引きずっているのではなく、

単純に今が楽しくて、

恋愛について考えたり、
わざわざ出逢いを求めることが、めんどくさく思えていた。


「ごめんね佳菜ちゃん!あたし、なんか余計なこと言っちゃった?」

「べつにそんな、謝ってもらう事じゃないの!」

「ホント?胸に秘める思いがあるんじゃなくて?」

「えー?いないよ〜!」

「じゃあ、いーじゃん!一回だけでいーから、行こうよぉ!」

「そのうち!ね、また、そのうち誘って!」

「…いるなぁ?!佳菜ちゃんには忘れられない人がいるんだ!」

「なに言ってんのぉ(だめだこりゃ)!」