どこかで誰かが…

「よく分からないけど、あんまり慣れない方が良いと思う。」

「人のこと心配するより、自分のこと心配したら?」

「え?」

「あんま良い相手じゃねーだろ?その男!」

「何言っ」

「返事は保留ってコトで!…なんかあったら相談乗るよ。」


そう言って、皆が歩いて行った方へと向かっていく高木。


やはり、言っていた通り、
しばらく行ったところに、皆で揃って隠れていて、

遠目から見ても、それが分かり、佳菜子も慌てて合流した。



「で?どーなったの?」

「あー、考えさせてくれってさ。そりゃそーだ。俺、転校生だしぃ。」

「だっせ〜、おまえ!」

「ばーか、何がだよ!まだ分かんねーだろうが!」



そして、佳菜子のもとにやってきた女子は、

「よく考えなよ!あいつ得体が知れないからさ!」

と、アドバイスをする。


結局、高木という男が、どんな奴かは解らなかったが、

悪い人ではないことは、なんとなく感じとれる佳菜子だった。