どこかで誰かが…

「佳菜子、どーした?」

ゆっこがたずねるも、

「あ、ごめん。私…」

シドロモドロな佳菜子の言葉に、

「ごめーん!ごめんごめん!」

かぶせるように喋りだしたのは、

「なんだ、違うんだ!じゃあ俺、立候補しよっかなぁ、堀口の彼氏に!」

高木だった。


「あははは!何おまえ?そーなの?」


おかげで、男子達の興味は違う方へと逸れてくれたのだが…

「あ、俺なら気にせず振ってくれてイーから。」

「?それは、えっと…」

「あ〜!でも待った!!」

「はい?」

「さすがにココでは勘弁してくれよぉ!そーゆー返事はコッソリとさ…だからおまえら!悪いけど消えてくれ!」

そう言って、高木が手を振ると、

「じゃあ高木!俺ら先帰ってるから!」

「おー、帰れ帰れ!」

「え…(私、どーしていればいーの?こーゆー冗談、馴れてないんですけど…)」

「明日の報告、楽しみにしてっぞ!」

「あ、俺が何も言わなかったら、その時はそっとしといてくれよな。」

「あははは、了解!」

悪ノリした男子達は、

「え?ちょっと!なによ?」

「二人にさせてやれって!」

「だって、佳菜子が」

「いーから!あとは若い二人で!」

あっという間に、女子を連れて、

(えー!!)

とっとと歩いて行ってしまった。