どこかで誰かが…

その日から、そんな部活帰りが、何度か続いた。


もちろん、
村井が必死に時間を合わせていたことなど、佳菜子は気付いていない。


さすがに哀れに思ったゆっこは、忠告するつもりで、佳菜子を自分の部屋に連れて帰り…

まずは世間話から始めるのだった。


「佳菜子、髪伸びたね。」

「そーなの。また切りに行かなくちゃ。」

「例の美容院?」

「うん。…またちょっと、髪型変えてみようかなーって…」

「大沢くんの注文?」

「あの人、そーゆーの言わないから。」

「刺激を楽しんでたりして!イメチェンした自分の彼女に“心変わりでもしたんじゃないかー”って疑ってみたり…誰かに告られてないか、心配してみたりさぁ!軽くスリル感あったほうが燃えてくるー的な?」

「あははは、もー、なに言ってんのぉ。」

「…だって、現に佳菜子、髪型変えてから変わったでしょ?」

「え?」

「ミステリアスな感じ匂わせてるじゃん。」

「私が?」

「そーだよ。周りに腐るほど男がいるのに、他校に彼氏をつくるなんて…裏切りにも近いよね。」

「私なんか、誰も相手してくれてないよ。」

「ただ鈍感なだけでしょ。高木が良い例じゃん。」

「…」

「あ、…ごめん。」

「ゆっこちゃん、村井くんって知ってるでしょ?」

「え!あ、うん。知ってるよ(なんだろ?うまいこと村井の名前がでたけど)…」