どこかで誰かが…

大沢の口から清瀬の名前が出てこないことで、
二人の間に何かあったのでは?…と、
そこは、すぐに感づく佳菜子だった。


それでも、問い詰めたりしない。


今までにも、こんなことはあったのだし、

理由が何であれ、佳菜子にはどうすることもできないと分かっていた。


たとえそれに、自分が関わっていたとしても、
今、つきあっている彼氏は大沢なのだから、
大沢についていくしかないのだ。


もちろん清瀬とは、今まで通りに接していくつもりでいる。


学校生活の中での、その日1日に、会話をするか、しないか…
そんな、いつも通りの関係だ。



その清瀬は、
部活のあとに自分を待っている、ゆっこに向かって、少し遠くから、こうたずねる。


「堀口は?」

「今、帰ったよ。」


その会話は村井の耳に届き…
徐々に早足になる村井を見送りながら、

「どーゆーつもり?」


何も知らされていないゆっこは、不満そうな顔をしているが、

「どうせ相手にされないんだからいーじゃん。人が言ってもダメなんだ、身で知ったほうが早いと思って。」


大沢の素行が、ゆっこを通して佳菜子の耳に入らぬよう、何も言わない清瀬だった。