どこかで誰かが…

玄関のドアが開き、

「うっす。」

佳菜子の心境など知るヨシもない大沢が出迎える。


「お邪魔します。」


靴を揃えながら大きく息を吸い、

(よしっ!)

気合いを入れて立ち上がると、


「そんな緊張すんなよ。誰も居ねーから!飯どきには母ちゃんが帰って来るけど。」


佳菜子の手からカバンを取って、いちばん手前のドアの部屋へと入っていく大沢。


佳菜子もゆっくりと、その部屋へと足を踏み入れた。


「わあ…すごいね…」


壁中がサッカーグッズで埋まる、まさしくそこは、大沢の部屋だった。


「これでも片付けたんだぜ、いちよ…」

「これって、プレゼント?」

「…もある。」

「大事にしてんだぁ…」

「大事にってワケじゃないけど…捨てたら呪われそーじゃん。」

「確かに相手に悪いよね。(はじめっから貰わなければいーじゃん!)」


ゴミ箱には、昨日のモノと思われる、ハートマークのラップが捨てられていた。


「なんだよ…ちょっとはヤケよ」

「え?」

「捨てろって言うなら、全部捨ててもイーけど。」

「!…いーよ!そんなことしなくても…」

「ホントは?」