どこかで誰かが…

「えへへじゃなくて!」

「だって…かっこいいんだもん!強いし、たくましくて…見てるだけでワクワクしてきて…私にとってのヒーローだった。」

「なんだよソレ。」

「ここに立つと、あの頃の気持ちが蘇るなぁ…少しでも話ができれば、その日はハッピーだった!」

「俺は“神”か?」

「うん!私が清瀬と幼なじみだったから声もかけてもらえてたけど、自分から話し掛けるなんて、とんでも無かった。」

「なるほどね…それが俺に、キヨへのコンプレックスを抱かせたって、知ってた?」

「…」


くすっと笑う大沢は、今度は佳菜子の肩の上に顎を移し、


「今は?」

「今?」

「うん。」

「…幸せすぎて、これ以上望んだら、なんかバチがあたりそうで…」

「そんなこと言ってたら、いつまでたっても先に進めないじゃん。」


そう言って、そっと首筋に唇を触れてみせる。

その瞬間、

佳菜子がビクッとしたのを感じると、

「つーか、神じゃねーし。」

と、さらにキツく抱きしめ、
頬に、そして唇にとキスをした。