どこかで誰かが…

「…ずっと来なかったから、俺」

「そっか、駅と反対方向だもんね。」

「ほら、俺さ、親友だって信じてたヤツに、裏切られたーって思ったまま卒業してっからさぁ。」

「それって清瀬のこと?」

「でもこうして、おまえと付き合ってんのが俺で、キヨにも女がいて…やっと今、キヨのこと信じられるようになったんだ…」

「今?!」


佳菜子は、学校の向かい側の広場へと歩く大沢の後を追った。


「ここも懐かしいよなぁ!」

「あはは、学校帰りに必ずここに寄って、どーでもいー話で時間潰してたよねぇ。」

「俺だけクラスが違ったから、必死だったよ。」


いつになく弱気な発言を連発する大沢に、調子を狂わす佳菜子は、


「もう、どうしたの?なんか変だよぉ。」

「…ホントは俺、まだ少し、キヨのこと疑ってんだ…アイツ、おまえのことが」

「ねぇ!」

「え?」

「キスして…」

「…」


大沢の情けないところなど見たくなくて、つい、そんな言葉を口にしていた。


半分笑って、半分、腑に落ちない顔をしながら佳菜子を引き寄せる大沢は、
そっと抱きしめ、まずは、おでこにキスをしてみせた。


そして、佳菜子の頭の上に自分の顎を置くようにして…

「佳菜子はさ、俺のどんなところが好きなの?」

「えへへへ…?」