どこかで誰かが…

バレンタイン当日…


大沢のもとには、チョコレートを渡す女の子の姿があるかもしれない。

でも、

チョコレートを受け取りに、
大沢本人が、佳菜子のもとへと足を運ぶということは、

彼女ならではの特権であることに違いない。


電話が鳴り、手作りチョコの入った箱を持って外へ出る佳菜子。


そのために来たのだから、当然のように受け取る大沢は、
さっそく、箱を開いて中身を見る。

そして、

「え!…手作り?」

一瞬、固まった。


「あたし今日、部活無かったから…」

「すげー!手作りなんてはじめてだよ!」


その笑顔に安心した佳菜子は、

「アレ?家に帰ったの?」

大沢が私服に着替えていることにはじめて気がついた。


「あぁ。汗臭かったし、おまえも私服だと思って。」

「そっか。」


時刻は8時過ぎだった。


「ちょっと、散歩しね?」

「あ、うん。」


ゆっくりと歩く二人は、いつもの公園の前を通り過ぎ、
気が付けば、二人が…清瀬も一緒に卒業した、中学の前に来ていた。


「うわ、変わんねーな。」

「2年しか経ってないじゃん!」