どこかで誰かが…

次の日、一人の部員に聞かれた佳菜子は、

「え?どこにって…友達ん家。」

「友達って、どんな関係の?」

答えに困っていた。


(でも、これは私のコトじゃないから、ペラペラと喋るワケにはいかないしなぁ…)


すると、

「だって言わせてもらっちゃうとね、カナカナと清瀬の共通性が見当たらないんだよね〜…それが不思議で。」

「あぁ、あははは…」

笑うしかない。


(あれ?こんな感じのこと、前に、ゆっこちゃんにも聞かれたことがあったなぁ。)


初めて、清瀬との関係性が、周囲に疑問視させていることに気がつく佳菜子だった。


「ねえ、なんか私達って、誤解されてるかも。」

「なんで?」

「登下校が一緒だから?」

「…中坊かよ。」

「そーだけど、」

「どっちかが引っ越さない限り、しょーがねーだろ。」

「そーじゃなくて、誤解されて、あんたは嫌じゃないの?」

「別に。もう馴れたよ。否定すればイーことだし。」

「でも、聞かれる度めんどくさくない?」

「…そろそろハッキリさせるよ。」

「そーゆーつもりじゃ…」

「わかってるって。」

「…うん。」

「ん?おまえさ、俺と噂になると困ることでもできた?」