どこかで誰かが…

その1時間ほど経った後、大沢から電話が入った。


「よぉ。」

「俺、シラケさせた?」

「いや、唄いたい歌は唄ったから。」

「何回“うたうた”言ってんだよ。」

「もう、唄いまくってストレス発散!」

「アレは何?…ストラップあげた女?」

「アレじゃない。」

「…アレとソレと、堀口がコレで、あとドレがいるんだよ?」

「上手いこと言うじゃん」

「マジで聞いてんだけど。」

「今日のは、ただの友達だよ。」

「ウソつけよ。」

「ストラップは、勘違い女に奪われちって。」

「勘違い?」

「でも、そこはもう切れたから!チームメイトの彼女の友達だったんだけど、この前、別れたらしいんだ。」

「じゃあ、次の彼女の友達には勘違いさせんなよ。」

「させてるつもりはないんだけど、」

「そこを、もうひと頑張りしろって話だよ。」

「はーい。…で?なに?」

「え?」

「電話くれたじゃん?」

「…忘れた。」

「なんだよソレ。佳菜子のことじゃねーのかよ。」

「つーか、おまえ、時計してんの?」

「もちろん。」

「…今度は壊すなよ。」

「わかってるっつーの。」

「じゃな。」

「え?お、おい!」


ただ、ストラップの行方を知りたかっただけだった。