どこかで誰かが…

「クリスマスケーキだってよ!」

「はぁ?」

「ね、ビックリでしょ?しかも5号の丸いヤツ!ウケるよねー!」

「…」

「ソレ聞いて安心したゃったよ。“なーんだ、かわいいんじゃん”ってさ!…あれ?どうかした?」

「ん?!べつに…」

「ただ、食べちゃうと形に残らないのがちょっとね…ほら、あたしはいつも持ち歩いてるよ!」


ゆっこは、携帯につけたストラップ揺らしてみせた。


清瀬が、どんなものをプレゼントすれば良いかを相談すると、大沢は、買い物にまでついて来た。


その時、ストラップを選んでいる大沢を見て、

「なるほどね。さすが。」

「誕生日じゃないんだから、そんなに気負ったモンじゃなくていーんだよ。何より気持ちだから!」


こうして、ゆっこへのプレゼントは決まった。


そしてそのコトを、大沢に口止めしたのは清瀬だったため、
ケーキの話に、深く食い付くことができなかったのだ。


だから大沢も、ケーキに変わる前のプレゼントの存在が、トラブルに進展することはないと踏んだのかもしれない。


それでもやはり、気になっている清瀬は、
初日の出に興奮気味の大沢を見ながら考えていた。


(あのストラップは、どこに行ったんだ?)