どこかで誰かが…

恋愛にはそれぞれの形がある。

そしてそれは、二人にしか分からない。


吉田と阿部のように、夫婦漫才のようなカップル。


彼氏が寡黙な清瀬とゆっこのカップル。


そして大沢のような、
愛情表現に優れていて、周りから見たら男がリードしているようにも見えるカップル。

でも、決して佳菜子をリード出来ているのではなかった。


クリスマスイヴ…
プレゼントを用意した佳菜子は、当然、会う約束をしていた。


練習終了後、佳菜子の家に寄る前にメールをくれることになっているのだが、いっこうに着信音は鳴らない。


9時を過ぎた頃、ようやく電話が鳴り…

「今、近くの公園。」

「わかった。今行く。」

佳菜子が慌てて駆けつけると、
大沢の手に大きな荷物が見えた。


「なにそれ?」

「ケーキ。」

「買い物頼まれてたの?」

「佳菜子と食べたくて買った。」

「今?ここで?」

「フォークなら貰ったよん。ナイフはないけど、つっつけばいーじゃん!」

「私もう食べたもん。今から食べたら太っちゃうし…」

「なんだよ。俺のケーキは食えね一つーのかよ。」

「遅い!って言ってんの!」


そう言って佳菜子は、大沢の胸元にプレゼントを突き出した。